column産業医コラム
【2026年11月】衛生委員会のテーマに使える健康・安全・労働衛生の行事一覧
- 2026.10.26 | 安全衛生イベント情報
11月は、長時間労働や過労死防止をはじめ、糖尿病、アルコール、感染症、防火・防災など、職場の健康管理や安全衛生活動につなげやすい行事が多い月です。
こうした月間・週間を社内周知だけで終わらせず、自社の長時間労働、健康診断結果、労働災害、職場環境などと照らし合わせることで、衛生委員会のテーマや具体的な改善活動に活用できます。
この記事では、2026年11月の主な健康・安全・労働衛生行事について、日程、公式情報、職場での活用例をまとめました。人事労務担当者、衛生管理者、安全衛生担当者の方は、自社の課題に合うテーマを選んでご活用ください。
情報確認日:2026年10月26日。以下の日程は2026年の公式情報を中心に掲載しています。年度別の案内と通年の参考資料を区別して掲載しています。
2026年11月の健康・安全・労働衛生行事と日程
| 行事 | 期間・日付 |
|---|---|
| 過労死等防止啓発月間 | 11月1日~30日 |
| 過重労働解消キャンペーン | 11月1日~30日 |
| 「しわ寄せ」防止キャンペーン月間 | 11月1日~30日 |
| 薬剤耐性(AMR)対策推進月間 | 11月1日~30日 |
| 津波防災の日 | 11月5日 |
| いい歯の日 | 11月8日 |
| 119番の日・秋季全国火災予防運動 | 11月9日/11月9日~15日 |
| ダイアベティスウィーク・世界糖尿病デー | 11月9日~15日/11月14日 |
| アルコール関連問題啓発週間 | 11月10日~16日 |
| 介護の日 | 11月11日 |
| 女性に対する暴力をなくす運動 | 11月12日~25日 |
| 世界早産児デー | 11月15日 |
| 世界道路交通犠牲者の日 | 11月15日 |
| 世界子宮頸がん撲滅デー | 11月17日 |
| 世界COPDデー | 11月18日 |
| 世界薬剤耐性啓発週間 | 11月18日~24日 |
| 世界トイレの日 | 11月19日 |
| 医療安全推進週間 | 11月22日~28日 |
| 性の健康週間 | 11月25日~12月1日 |
| 人生会議の日 | 11月30日 |
月間・記念日の日程と、各地域で行われる講演会、イベント、検診等の日程は異なる場合があります。
1.過労死等防止啓発月間・過重労働解消キャンペーン|11月1日~30日
11月は「過労死等防止啓発月間」です。厚生労働省では、その一環として11月1日から30日まで「過重労働解消キャンペーン」を実施します。
長時間労働による健康障害を防ぐためには、残業時間だけでなく、睡眠時間、疲労の蓄積、休日の確保、業務負荷なども含めて確認することが重要です。
職場での活用例
衛生委員会では、長時間労働者の人数や部署別の傾向、産業医による面接指導の実施状況、年次有給休暇の取得状況などを確認してみましょう。特定の部署や管理職に長時間労働が集中していないかを確認することも重要です。
公式情報・参考資料
2.「しわ寄せ」防止キャンペーン月間|11月1日~30日
11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です。
大企業や発注側企業で労働時間を削減しても、その影響によって取引先の中小企業に短納期発注、急な仕様変更、長時間の荷待ちなどが発生すれば、サプライチェーン全体では長時間労働が解消されません。
職場での活用例
自社の残業削減が、取引先や委託先の過重労働につながっていないか確認してみましょう。特に建設、運輸、製造などでは、無理な納期設定、急な発注変更、荷待ち時間なども安全衛生上の課題となります。
公式情報・参考資料
3.薬剤耐性(AMR)対策推進月間・世界薬剤耐性啓発週間
11月は「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」です。また、11月18日~24日はWHOの「世界薬剤耐性啓発週間」です。
薬剤耐性とは、細菌などに抗菌薬が効きにくくなる問題です。抗菌薬の不適切な使用を減らすことに加え、そもそも感染症にかからない、広げないことも重要です。
職場での活用例
手洗い、咳エチケット、換気、ワクチン、体調不良時の休養など、基本的な感染症対策を再確認しましょう。医療・介護・食品関連事業所では、特に取り上げやすいテーマです。
公式情報・参考資料
4.津波防災の日・119番の日・秋季全国火災予防運動
11月5日は「津波防災の日」、11月9日は「119番の日」です。また、11月9日~15日は秋季全国火災予防運動です。
災害や火災は発生してから対応方法を考えることはできません。日頃から設備と役割分担を確認しておく必要があります。
職場での活用例
AED、消火器、非常口、避難経路の位置を確認するとともに、「誰が119番通報するのか」「負傷者が出た場合に誰が対応するのか」まで確認しましょう。職場巡視と組み合わせるのも有効です。
公式情報・参考資料
5.いい歯の日|11月8日
11月8日は日本歯科医師会の「いい歯の日」です。
口腔の健康は食事や生活の質だけでなく、糖尿病などの全身疾患とも関係しています。喫煙は歯周病のリスクにも関係するため、禁煙対策と組み合わせることもできます。
職場での活用例
定期的な歯科受診や歯周病予防について周知しましょう。健康診断で糖尿病を指摘された人に対して、口腔健康も含めた生活習慣改善を伝えるのもよいでしょう。
公式情報・参考資料
6.ダイアベティスウィーク・世界糖尿病デー
2026年11月9日~15日は「ダイアベティスウィーク」、11月14日は「世界糖尿病デー」です。
2026年度のダイアベティスウィークのテーマは「小さな一歩が未来を変える―肥満対策とダイアベティス予防―」です。
糖尿病は初期には自覚症状が乏しいことも多く、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されても、受診せず放置されることがあります。
職場での活用例
健康診断後の受診勧奨が実際に受診につながっているか確認しましょう。「再検査してください」という通知だけでなく、なぜ受診が必要なのかを分かりやすく伝えることも重要です。
公式情報・参考資料
7.アルコール関連問題啓発週間|11月10日~16日
11月10日~16日は「アルコール関連問題啓発週間」です。
飲酒は肝機能だけでなく、睡眠、血圧、がん、メンタルヘルス、依存症、事故などさまざまな健康問題と関係します。
職場での活用例
健康診断の肝機能異常とあわせて、普段の飲酒量を振り返る機会を設けましょう。運転業務がある職場では、飲酒運転や翌朝へのアルコールの残存についても取り上げることができます。
公式情報・参考資料
8.介護の日|11月11日
11月11日は「介護の日」です。
親などの介護が必要になる時期は、本人が管理職や中核人材として働く時期と重なることがあります。介護が始まってから制度を調べるのではなく、早めに支援制度を知っておくことが重要です。
職場での活用例
介護休業、介護休暇、柔軟な働き方、社内相談窓口などを従業員に周知しましょう。「介護休業=長期間仕事を休んで自分で介護する制度」と誤解されないよう、両立支援の視点から情報提供することが重要です。
公式情報・参考資料
9.女性に対する暴力をなくす運動|11月12日~25日
11月12日~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」の期間です。
DV、性暴力、ストーカーなどだけでなく、職場においてもセクシュアルハラスメントや相談体制を考える機会となります。
職場での活用例
相談窓口が設置されているだけでなく、従業員がその存在と利用方法を知っているか確認しましょう。管理職が相談を受けた際の初期対応について教育しておくことも重要です。
公式情報・参考資料
10.世界道路交通犠牲者の日|11月15日
世界道路交通犠牲者の日は毎年11月第3日曜日で、2026年は11月15日です。
交通事故は運転技能だけの問題ではありません。睡眠不足、長時間労働、夜勤、飲酒、服薬、過密な配送・営業スケジュールなども安全運転に影響します。
職場での活用例
営業車、配送車、トラックなどの運転業務がある企業では、事故件数だけでなく、勤務時間、休憩、睡眠、運行スケジュールなどを含めて確認しましょう。
公式情報・参考資料
11.世界子宮頸がん撲滅デー|11月17日
11月17日はWHOの「世界子宮頸がん撲滅デー」です。
子宮頸がんは、HPVワクチン、検診、早期発見・治療によって予防や死亡リスク低減が期待できる疾患です。
職場での活用例
女性の健康支援として、がん検診の案内だけでなく、検査や精密検査を受けるための時間確保、治療と仕事の両立支援についても周知しましょう。
公式情報・参考資料
12.世界COPDデー|11月18日
2026年11月18日は「世界COPDデー」です。2026年のテーマは「Early Diagnosis and Management for a Better Life(より良い生活のための早期診断と管理)」です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、慢性的な咳、痰、息切れなどを生じる疾患です。喫煙が主要なリスク要因ですが、粉じんなどの職業性曝露も関係します。
職場での活用例
喫煙・受動喫煙対策とともに、建設業や製造業などでは粉じんへの曝露対策、局所排気、呼吸用保護具の適正使用などを確認しましょう。
公式情報・参考資料
13.世界トイレの日|11月19日
11月19日は国連の「世界トイレの日」です。
世界的には水と衛生設備へのアクセスが中心的なテーマですが、職場でもトイレは重要な衛生設備の一つです。
職場での活用例
職場巡視では、清掃状況、手洗い設備、石けん、換気、照明、臭気、故障などを確認しましょう。屋外作業場や現場では、作業場所からトイレまでの距離や利用しやすさも確認が必要です。
公式情報・参考資料
14.医療安全推進週間|11月22日~28日
2026年度の医療安全推進週間は、11月22日~28日です。
医療機関では、患者確認、医薬品、感染対策、情報共有、インシデント対応などを見直す機会となります。
職場での活用例
医療事故やインシデントを個人の「注意不足」だけで説明せず、作業手順、設備、情報伝達、人員配置、疲労などの背景要因を検討しましょう。安全文化を考える教材としても活用できます。
公式情報・参考資料
15.性の健康週間|11月25日~12月1日
2026年11月25日~12月1日は「性の健康週間」です。
性の健康は、性感染症の予防だけではなく、自分の身体について正しい知識を持ち、必要な検査や医療につながることも含むテーマです。
職場での活用例
職場で扱う場合にはプライバシーに十分配慮しながら、HIVや性感染症、相談・検査先などについて正確な情報を案内することが重要です。
公式情報・参考資料
16.人生会議の日|11月30日
11月30日は「人生会議の日」です。
人生会議とは、ACP(Advance Care Planning)の愛称で、将来受けたい医療やケアについて本人が考え、家族や医療・ケア関係者と繰り返し話し合い、共有していく取組です。
職場での活用例
直接的な労働安全衛生施策ではありませんが、がん治療と仕事の両立、家族介護、自身や家族の将来の医療を考えるきっかけになります。
公式情報・参考資料
そのほかの2026年11月の安全・健康関連行事
11月には、このほかにも次のような行事があります。
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間:11月1日~30日
- オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン:11月
- 麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動:10月1日~11月30日
- 世界早産児デー:11月15日
- 大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン:10月1日~2027年2月28日
従業員構成や業種によっては、育児支援、薬物乱用防止、交通労働災害防止などのテーマとして活用できます。
11月の衛生委員会で取り上げるなら?
一般的な企業であれば、11月は「過重労働と睡眠」を優先テーマとしておすすめします。
長時間労働による健康障害は、単に月の時間外労働時間だけで決まるものではありません。睡眠不足、休日の少なさ、心理的な業務負荷なども含めて考える必要があります。
健康管理では、「健診で血糖値が高かった人を、どう受診につなげるか」も実務的なテーマです。健康診断結果を通知するだけではなく、受診勧奨後のフォロー体制まで確認すると、健診後措置の改善につながります。
建設・製造業ではCOPDと粉じん対策、運輸業では睡眠不足と交通事故、医療機関では医療安全と疲労など、自社の業種に合わせてテーマを選択するとよいでしょう。
衛生委員会で「担当者」と「確認時期」まで決める
キャンペーンや啓発週間を紹介するだけでは、安全衛生活動は改善につながりにくいものです。
例えば、過重労働をテーマにする場合には、「長時間労働者の状況を誰が確認するのか」「産業医面談につながっているか」「次回の衛生委員会で何を確認するのか」まで決めておきます。
衛生委員会では、「今月行うこと」「担当者」「実施期限」「次回確認すること」を決めることで、毎月のテーマを実際の改善活動につなげやすくなります。
株式会社WHCでは、福岡市・北九州市を中心に、産業医活動を通じて企業の健康管理・労働衛生活動を支援しています。健康診断後の就業判定、長時間労働者への面談、メンタルヘルス対応、職場巡視、衛生委員会への助言など、企業ごとの課題に合わせた産業保健活動を行っています。


