Case事例紹介

作業環境改善の支援

  • 2023.07.20 |
作業環境測定管理区分Ⅲ職場への対応

金属加工を行う事業所の化学物質を使用する作業エリアの作業環境測定結果で、管理区分Ⅲとなる作業エリアが発生し、化学物質についての作業環境管理、作業管理、健康管理について介入が必要になり、依頼がありました。
管理区分Ⅲの対策は以前同様に指摘されていたが、対応策がわからず、放置されていました。

作業環境測定結果、特殊健康診断結果を確認した上で、臨時で職場巡視を行い、次の問題点があることを報告しました。

①作業環境管理
・作業エリアのみならず、建屋全体の気中濃度が高い状態であり、周囲で作業している従業員も曝露を受けていること。
・すでに設置されている局所排気装置が制御風速を満たしていないこと。

②作業管理
・作業エリアでは保護具の着用を実施しているが、メリヤスの使用や適切な保護具の着用を実施していなかったこと。
・作業エリア外では保護具の着用をしていないこと。

③健康管理
・特殊健康診断で検査値異常の従業員がいたこと。

以上の内容を担当者に報告し、作業工程変更や予算面を加味した検討を行いました。

その結果、本質的対策(作業をなくす、使用物質の変更など)ではなく、工学的対策を行うこととなりました。

具体的には設置していた局所排気装置の性能を向上させるために、フランジの設置など試行錯誤を行い、最終的に作業エリアを囲い込むようにブースを作成したところ、制御風速を満たすことが可能となりました。

加えて、管理的対策として、定期的な性能調査や作業手順の整備を行い、保護具着用について指導を行いました。

特殊健康診断結果については異常所見のあるものについては再検査を行い、経過観察を行なうことになりました。以降は作業環境測定結果も第Ⅰ管理区分となり、作業環境改善に繋げることができました。

このように、弊グループでは労働衛生コンサルタントを有する医師が担当するため、職場環境改善について、適切に情報提供や改善案の提示を行うことができます。

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